IT業界における契約書について
タイトル..
IT業界で使用する契約書には、この業界に特有の事情から、他の業界の契約書には見られない注意すべき点があります。
たとえば、客先に従業員を常駐させて業務を行う場合、依頼される業務内容や業務の遂行方法などに応じて、請負契約、準委任契約(SES契約)または労働者派遣契約を適切に使い分けることが必要です。
システムやソフトウェア開発の業務委託契約書では、契約内容が明確になっているか、自社に不利益な内容になっていないかなどを慎重に検討する必要があります。
重要な技術情報を用いて業務を行う場合に当該技術情報が外部に漏れることを防ぐには、社内の情報管理体制を徹底する必要があり、その一環として関係者との間で秘密保持契約書を締結します。
1.契約類型の使い分け
請負契約とは、請負人がある仕事を完成させ、注文者がその仕事に対して報酬を支払う契約です。例:システム開発契約
準委任契約(SES契約)とは、委任者が受任者に対して業務を委託し、受任者がこれを受託することにより成立する契約です。例:システム保守契約
労働者派遣契約とは、派遣会社が雇用する労働者を派遣先の会社で労働させる契約です。
成果物の納品を契約内容とするか否か、エンジニアに対する指揮命令は誰が行うかなどによりこれらの契約を適切に使い分けます。
2.契約内容の検討
業務範囲、要件定義・仕様、納期、委託料の算定方法と支払条件、検収、契約解除及び契約条件の変更などの契約内容に関する当事者の認識に違いがあるとトラブルを招き、法的紛争に発展するおそれがあります。
また、成果物に関する所有権、特許権及び著作権並びに損害賠償責任の範囲などについて自社に不利益な契約内容になっていないかを吟味することが重要です。
さらに、たとえば、システム開発契約においては、システムの開発が途中で頓挫し、それまでの開発費用を委託者と受託者のいずれが負担するかについて紛争になることが多い。このような場合に自社にとって有利な結論を導けるよう慎重に契約書の条項を検討しておく必要があります。
3.営業秘密などの秘密情報の保護
重要な営業情報や技術情報を保護するには、秘密保持義務が有効なものとして認められるポイントを押さえた上で関係者との間で秘密保持契約書を締結することが必要です。
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