排出事業者責任について
タイトル..
排出事業者責任について
(1) 排出事業者責任は極めて厳格
廃棄物処理法3条1項は、事業者は、その事業活動に伴って生じた廃棄物を自らの責任において適正に処理しなければならないと規定し、また、同法11条1項は、事業者は、その産業廃棄物を自ら処理しなければならないと規定しています。これを排出事業者責任といいます。
注意いただきたいことは、廃棄物処理業者に産業廃棄物の処理を委託した場合であっても、排出事業者に処理責任があるということです。廃棄物処理法12条7項は、事業者は、産業廃棄物の最終処分が終了するまでの一連の処理が適正に行われるために必要な措置を講ずるよう努めなければならないと規定しています。
廃棄物処理業者に委託したとしても、その後の処理が不適正であったことが明らかになれば、排出事業者も廃棄物処理法の措置命令の対象になる可能性があります。それだけに止まらずに、社名等が公表され、コンプライアンスを十分に果たしていない事業者として社会的にも大きなレピュテーションリスクを負うことになりかねませんから十分に注意いただきたいと思います。
(2) 産業廃棄物の処理を自ら行わない場合
排出事業者が産業廃棄物の処理を自ら行わない場合には、環境省または地方自治体から適切な許可を受けた処理業者に委託する必要があります。
上述のようなリスクがありますから、処理業者選定の際には、その業者が法令に基づいた適正な処理を行う能力を有しているかどうかを慎重に評価する必要があります。
そして、処理業者と委託する際には、委託契約書を締結するとともに、産業廃棄物管理票(マニュフェスト)を交付して、廃棄物の適正な流れを記録し、追跡を可能ならしめることが義務付けられています。