不当表示とされる広告の内容とは

不当表示とされる広告の内容とは

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不当表示とされる広告の内容とは

1 不当表示とは

景品表示法における「表示」とは、顧客を誘引するための手段として、事業者が自己の供給する商品・サービスの品質、規格、その他の内容や価格等の取引条件について消費者に知らせる広告や表示全般を指します。

景品表示法により規制される不当表示には、優良誤認、有利誤認、その他誤認されるおそれのある表示の3つが挙げられます。

2 優良誤認とは

商品・サービスの品質や規格、その他の内容について、実際のものよりも著しく優良であると一般消費者に誤認される表示が該当します。

例えば、ブランド牛の表示の場合、国産有名ブランド牛の肉だと表示をしていたが、実際には国産ブランド牛ではない国産牛の肉だったというケースや、宅配便の配達日数において「全国一律翌日配送」と表示していたが、実際には、翌日に届かない地域が一部あったといった場合に該当します。

また、実際はそうではないのに、商品・サービスの品質や規格などが競争業者のものよりも著しく優良であると一般消費者に誤認される表示も優良誤認表示となります。

例えば、健康食品の成分量において、健康食品に、「〇〇成分が他社製品の2倍」と表示していたが、実際には、他社と同程度の量しか入っていなかったケースや、「売上No.1」という表示において、実際には、他社と異なる条件で数値化したもので、適正な比較ではなかったといった場合が該当します。

景品表示法上問題となるか否かは、表示媒体における表示内容全体をみて、一般消費者が当該表示について著しく優良・有利であると誤認するか否かによって判断されます。その際、事業者の故意・過失の有無は問題とされません。

また、合理的な根拠がない効果・効能等の表示は、優良誤認を招く不当表示とみなされます(不実証広告)。

消費者庁は優良誤認表示に当たるかどうかを判断する材料として、表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を事業者に求めることができます。この場合、当該資料が提出されないときは不当表示とみなされますので、注意が必要です。(景品表示法7条2項)

3 有利誤認とは

商品・サービスの価格その他の取引条件について、実際のものよりも著しく有利であると一般消費者に誤認される表示は.有利誤認表示となります。

例えば、期間限定セールと称して「今だけ半額!」と表示していたが、実際には、常にその値段であったケースや、「セット割引」と表示していたが、実際には、バラ売り価格の合計と同じだった場合が該当します。

また、実際はそうではないのに、商品・サービスの価格や取引条件などが競争業者のものよりも著しく有利であると一般消費者に誤認される表示も有利誤認表示となります。

例えば、「地域最安値!」と表示していたが、実際には、他社の価格を調査しておらず、実は他社より割高だったケースや、数社の料金を比較して、自社が最も安いように表示していたが、実際には、比較の条件が適切ではなかった場合が該当します。

さらに、架空のメーカー希望小売価格表示、根拠のない通常販売価格表示(その価格で販売していたことがない)、架空の市価などを比較対象価格に用いて自社の販売価格を安く見せかける表示も有利誤認表示に該当します(不当な二重価格表示)。

4 その他誤認されるおそれのある表示とは

景品表示法上、事業者は、優良誤認表示及び有利誤認表示以外にも、自己の供給する商品又はサービスの取引について、商品又はサービスの取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある表示を行ってはならないとされています。

これに基づき、以下の①無果汁の清涼飲料水等についての不当な表示、②商品の原産国に関する不当な表示、③消費者信用の融資費用に関する不当な表示、④不動産のおとり広告に関する不当な表示、⑤おとり広告に関する不当な表示、⑥有料老人ホームに関する不当な表示に関する告示が定められています。

無果汁の清涼飲料水等についての不当な表示

無果汁・無果肉若しくは果汁又は果肉の量が5%未満の清涼飲料水、乳飲料、アイスクリームなどについて、「無果汁・無果肉」であること又は果汁若しくは果肉の割合(%)を明瞭に記載しない場合に、以下の表示は不当表示となります。

・果実名を用いた商品名、説明文等の表示

・果実の絵、写真、図案の表示

・果汁・果肉と似た色、香り、味(=表示)

商品の原産国に関する不当な表示

一般消費者が原産国を判別することが困難な場合、以下の表示は不当表示となります。

・原産国以外の国名、地名、国旗等の表示

・原産国以外の国の事業者名、デザイナー名、商標などの表示

・国内産の商品について文字表示の全部又は主要部分が外国の文字で示されている表示

・外国産の商品について文字表示の全部又は主要部分が和文で示されている表示

消費者信用の融資費用に関する不当な表示

消費者信用の融資費用について、実質年率が明瞭に記載されていない場合、以下の表示は不当表示となります。

・アドオン方式による利息、手数料その他の融資費用の率の表示

・日歩、月利等年建て以外による利息、手数料その他の融資費用の率の表示

・融資費用の額の表示

・返済事例による融資費用の表示

・融資費用の一部についての年建てによる率の表示

不動産のおとり広告に関する不当な表示

不動産の取引において、消費者を誘引する手段とし て行う以下の表示は不当表示となります。

・実在しないため、取引できない不動産についての表示(実在しない住所・地番を掲載した物件など)

・実在するが、取引の対象となり得ない不動産についての表示(売約済みの物件など)

・実在するが、取引する意思がない不動産についての表示(希望者に他の物件を勧めるなど当該物件の取引に応じない場合など)

おとり広告に関する不当な表示

一般消費者を誘引する手段として行う以下の表示は不当表示となります。

・取引を行うための準備がなされていないなど取引に応じることができない場合のその商品又はサービスについての表示

・商品又はサービスの供給量が著しく限定されているにもかかわらず、その旨を明示していない表示

・商品又はサービスの供給期間、供給の相手方又は顧客一人当たりの供給量が限定されているにもかかわらず、その旨を明示していない表示

・取引の成立を妨げる行為が行われるなど実際には取引する意思がない商品又はサービスについての表示

有料老人ホームに関する不当な表示

有料老人ホームの施設・設備、サービスについての以下のような表示は、不当表示となります。

・入居後の居室の住み替えに関する条件等が明瞭に記載されていない表示

・介護サービスを提供するのが有料老人ホームではないにもかかわらず、そのことが明瞭に記載されていない表示

・夜間における最小の介護職員や看護師の数など、介護職員等の数が明瞭に記載され ていない表示

 

消費者庁の「事例でわかる景品表示法 不当景品類及び不当表示防止法ガイドブック」参照
https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling/pdf/fair_labeling_160801_0001.pdf
 

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