経営判断の原則が適用される場合とは?
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経営判断の原則が適用される場合とは?
Q.それでは具体的に、どのようなことをすれば経営判断の原則の適用により免責されるのでしょうか?
A.裁判官が、取締役に法的責任を認めるのは、「リスクの検討をしていない場合」と「リスクの検討が不十分な場合」です。
ですから、主管部門からリスクに関して検討した詳細な資料を取締役会宛に提出させ、取締役会において、提案された案件について、リスクを検討し、一定のリスクは認められるけれども、それを上回るメリットに賭けてやってみる価値があるか、万一、うまくいかなかった場合の対応策、撤退スキーム等について十分な検討をすることが重要となります。
また、多くの企業では、未だに、取締役会議事録に「第○号議案を審議し、一同、異議無く承認した。」という議事録を作成して、議論の過程を議事録に残していません。
しかし、取締役を守るために弁護士が欲しいのは、「リスクが具体的に検討されており、それに対する対応策が記載されている証拠資料」です。
裁判を提起されてから、「当時はいろいろ考えていました。」と申し開きをしても、裁判官は証拠がなければ事実を認定してはくれません。
経営判断を行った当時に、しっかりと情報を収集し、分析し、検討が行われていたのであれば、それを証明できるように、きちんと可視化しておく必要があります。
したがって、取締役会において、主管部門から提出されてきた資料を取締役会議事録に添付し、さらに、かかる資料を前提として、どの取締役がどのような発言をし、どの取締役が異を唱え、最終的にいかなる結論に到達したのかが明確にわかるように記載し、あわせて、この議事録の正確性を担保するために、すべての取締役会について録音データを保管することが極めて重要です。
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