取締役会への取締役以外の者の参加について研究しました。

判例研究

取締役会への取締役以外の者の参加について研究しました。

令和3年2月17日(水)に取締役会への取締役以外の者の参加について研究しました。

日時 令和3年2月17日(水)
場所 湊総合法律事務所 第1会議室
報告者 弁護士 野村 奈津子
内容 取締役会への取締役以外の者の参加について

第372回 判例・事例研究会

日時 令和3年2月17日

場所 湊総合法律事務所

報告者 弁護士 野村 奈津子

事件の表示 事 件 名 令和元年(ネ)第3196号
取締役会決議無効確認等、株主総会決議取
消等請求控訴事件
裁判所等 東京高判令和元年12月5日
判 旨 控訴棄却
事案の概要 本件は、Y社(被告・被控訴人)の株主であり、代表取締
役であったX(原告・控訴人)らが、Y社に対し、Xらを代
表取締役から解職し、Aを代表取締役に選定する旨のY社
の取締役会決議が無効であることの確認を求めるととも
に、上記取締役会決議が無効であることを理由として、B
を取締役に選任する旨のY社の株主総会決議の取消しを求
める事案である。
原判決(東京地判令和元年6月25日)がXらの請求を棄
却したため、Xらが控訴。
判旨(要旨) 控訴棄却。
Ⅰ Bが出席することによって本件取締役会において正常
な審議が困難であったと認めるべき事情は見当たらない。
かえって、・・・A・・・は、Xらに対し、取締役2名解任及
び取締役1名選任を議題として臨時株主総会を開催すべき
ことを取締役会の議題として示していたのであるから・・・、
Yの取締役会において早晩その議決をせざるを得ない状況
に立ち至っていたものというべきであり、X₂のした本件取締役会の閉会宣言は、議長の交代を回避し、ひいては、上記
議決を回避するために議長としての権限を濫用してされた
もので無効といわざるを得ない。
Ⅱ Xらの退室後、B及びC弁護士の同席については、そ
の場に残った取締役が異議を述べないまま本件取締役会が
継続し、HがC弁護士には発言を控えてもらいたいと述べ
るにとどまったものであるから、B及びC弁護士が本件取
締役会に出席、発言していたとしても、そのことのみをも
って、そこでされた本件取締役会決議が当然に無効になる
ということはできない。
・・・C弁護士については、議長になったAが同弁護士を同席
させる旨述べているところ、同弁護士の発言は取締役の発
言の趣旨を確認した上で議論を整理し、取締役からの質問
に対してAが特別利害関係人に該当するなど法律的な観点
からの助言を行うに留まっていることからすると、議長の
履行補助者とみることができるのであって、C弁護士が出
席、発言したことによって、本件取締役会決議が当然に無
効になるということはできない。
Yの取締役会においては、もともと、…A、D、E、Fに…
Gを加えた5名と、…Xら及びこれに同調するI、Hの4
名との間に対立があったものと認められるから、B及びC
弁護士の同席や発言によってこの状況に変化が生じ得るも
のではなかったと認められる上、本件取締役会において、
Yの取締役の中にB及びC弁護士の出席、発言によって見
解を改めた者がいたことをうかがわせる証拠も見当たらな
い。
なお、…C弁護士が本件取締役会の会場に入室後「必要が
あれば代表取締役の解任の動議を出していただければと思
います」と述べるまでの間に、取締役の誰からも代表取締
役解任の話題は出ていなかったことが認められるが、C弁
護士は、あらかじめAから問題状況を聞いて知っていたと
考えられるし、仮にC弁護士が上記発言をしなかったとし
ても、…Xらの姿勢に不満を持つA、D、E、F及びGのい
ずれかから上記のような動議が出されることは当然起こり
得たものというべきである。また、Bは、本件取締役会にお
いて、…意見を述べ、最終的に第2号議案の内容がそれに
沿って変更されているが…、そのこと自体は直接Bの利害
に関わることではないし、上記の取締役間の対立状況に照
らすと、本件取締役会決議に重大な影響を与えたものとい
うことはできない。

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