判例研究
個人情報保護法と個人データの第三者提供について研究しました
令和3年9月15日(水)個人情報保護法と個人データの第三者提供について研究しました。
日時 | 令和3年9月15日(水) | |
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場所 | 湊総合法律事務所 | |
報告者 | 弁護士 野坂 真理子 | |
内容 | 個人情報保護法と個人データの第三者提供について研究しました |
第386回 判例・事例研究会
日時 令和3年9月15日
場所 湊総合法律事務所
報告者 弁護士 野坂 真理子
◆個人情報保護法
法第 23 条(第 1 項) 1 個人情報取扱事業者は、次に掲げる場合を除くほか、あらかじめ本人の同意を得な いで、個人データを第三者に提供してはならない。 (1) 法令に基づく場合 (2) 人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意 を得ることが困難であるとき。 (3) 公衆衛生の向上又は児童の健全な育成の推進のために特に必要がある場合であ って、本人の同意を得ることが困難であるとき。 (4) 国の機関若しくは地方公共団体又はその委託を受けた者が法令の定める事務を 遂行することに対して協力する必要がある場合であって、本人の同意を得ること により当該事務の遂行に支障を及ぼすおそれがあるとき。 |
個人情報取扱事業者は、個人データの第三者への提供に当たり、あらかじめ本
人の同意を得ないで提供してはならないと定められている。では、債権譲渡を行
う場合の譲渡元から譲渡先への個人情報の提供は、上記第23条1項に違反す
るか
◆債権管理回収業分野における個人情報保護に関するガイドライン
債権譲渡に付随して譲渡人から譲受人に対して当該債権の管理に必要な範囲において債務者及び保証人等に関する個人データが提供される場合には,法第23 条により求められる第三者提供に関する本人の同意が推定されるものとして,また,債権の譲渡に関連して行われるデューデリジェンスや譲受人の選定等,当然必要な準備行為についても,債権の管理に必要な範囲に含まれることから
同意の推定が及ぶものとして取り扱って差し支えない。
なお,本人たる債務者又は保証人等が債権譲渡に伴う個人データの第三者提供について明示的に拒否する意思を示し,これにより,当該債権の管理に支障を来し,債権の譲渡人又は譲受人の財産等の保護のために必要な場合には,法第23 条第1項第2号に該当する。
→以上のとおり、同意の推定または第23条1項2号により、個人情報保護法に
は反しないと考えられる。